2016年、ロード用エアロヘルメットが熱い!エアロヘルメットの効果のまとめ

Giro Air Attack Helmet

2016年のロードレースシーズンも始まり、これからクリテリウム、ロードレース、トラック、そしてトライアスロンへと参加するレースが目白押しの今日この頃。

そんな私に今必要なのは、レースで必要とされるスピードを維持するためのトレーニング、エアロ機材。

やはりレースの終盤まで戦える脚を残すには日々のトレーニング、エアロ機材の選択は非常に重要なんです。

(機材よりも走り込みが必要だということは重々分かっているんですが^^;)

エアロ機材の代表と言えば一本10万円以上は軽くするエアロホイール。使用したことが無い私には費用対効果がどうなのかが不明ですが、お値段的にどうしても敷居が高く感じてしまいます。

San Dimas Stage Race

それよりももっとお手軽にできるエアロ対策と言えば、より前傾姿勢を取るためのハンドルポジションの見直し、スキンスーツやエアロヘルメットの着用ではないでしょうか?

エアロヘルメットと言えば、TT競技で見るようなロングフィンと呼ばれる後頭部部分が細長く伸びたTTヘルメットを最初に連想しますが、セミエアロヘルメットと呼ばれるジロ・エアーアタックから始まった少ない通気孔とエアロ効果の高い形状のロード用エアロヘルメットが私の中ですごくホットな話題に。

十数万はするエアロホイールよりも2~3万円台で購入できるエアロヘルメットのほうが現実的に導入しやすく、3年間トライアスロンや各種の自転車競技で使用したOGK Kabutoのヘルメットにも飽きてきたこともあり、この2~3週間は練習をおろそかにしながらエアロヘルメットについてリサーチしてきました。

エアロヘルメットの着用でどの程度スピードが上がるのかという効果面と、どんな選択肢があるのか。あれこれ頭を抱えながら、調べたエアロヘルメットについて今回はまとめたいと思います。

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2016年におすすめのトッププロが被るエアロヘルメットをまとめた記事もあります。

ロード用エアロヘルメットの効果のまとめ

エアロヘルメットについて触れられた海外記事について最近はずっと調べていました。

中でも各メーカーのエアロヘルメットのエアロ効果を比較した、BikeRadarの記事は非常に有名。国内外を問わずいくつかの自転車ショップでは、BikeRadarの比較記事で上位だったよと言った勧め方をしてきます。

しかし、ほとんどの記事が具体的な効果について触れていないため、ある程度効果の目安として参考になった記事の内容をまとめて紹介したいと思います。

BikeRadarのエアロヘルメット比較

自転車関連のニュースや膨大なレビュー記事などで有名な海外サイトのBikeRadar。そのBikeRadarがボントレガー、カスク、ジロ、POC、そしてルイガノなど各メーカーのエアロヘルメットの比較を、アメリカ・アリゾナ州のFasterという世界初の自転車用低速の風洞実験設備を持つショップにて専門家と共に行った実験の結果を紹介しています。

時速20マイル(32km)というホビーサイクリストに馴染み深い速度で、ヨー角0度(完全なる向かい風)、5度、10度、15度の4つの角度から各ヘルメットにかかる空気抵抗をグラムを基準で算出し、ランク付けをしています。

以下は4つのヨー角から得た空気抵抗の平均値によるランキングです。

順位 ヘルメット 空気抵抗(g)
1位 Bell Star Pro 732.5
2位 Bontrager Ballista 738.75
3位 POC Octal Aero 740
4位 Specialized S-Works Evade 740.75
5位 Garneau Course 746.25
6位 Kask Protone 747
7位 Giant Rivet 752
8位 Giro Air Attack 755.25
9位 Giro Synthe 755.25

1位のベル・スタープロと9位のジロ・エアーアタックの差、22.75gがスピードにどれほど影響するかはわかりませんが、非常に興味深い内容です。

空気抵抗の他に値段、低速・高速巡航時の通気性、見た目、重さなどの総合比較では1位がベル・スタープロ、2位がルイガノ・コース、3位がカスク・プロトーンという結果になりました。

空気抵抗に関しては乗車時の頭とヘルメットの角度や、頭の大きやヘルメットのサイズによって異なるため、乗り手によって実際の空気抵抗は異なるようです。

元の記事:
Best aero road helmets: tunnel- and road-tested(最高のロードエアロヘルメット:風洞、実走によるテスト)

スペシャライズドのウィンドトンネルシリーズのヘルメット編

スペシャライズドが自社設備のウィンドトンネル(風洞実験設備)で行う、髪型やムダ毛の有無、乗車姿勢など様々な分野からどの選択が最も空気抵抗に優れているかを実験するウィンドトンネルシリーズ。

オリンピック選手のトライアスリート、ブレント・マクマホンとともに通常のロードヘルメット(プリベイル)、エアロヘルメット(イヴェード)、そしてTTヘルメット(S-WORKS TT)のスピードの違いをTTバイクを用いてテストしました。

プリベイルに対してイヴェードは40kmの距離では40秒早く、S-WORKS TTは60秒早いようです。あくまでもTTポジション時のスピード比較になりますが、通常のロードヘルメットからエアロヘルメットに切り替えることで1㎞あたり1秒早くなる可能性が。

動画:
The Win Tunnel: Helmets(ウィン[ド]トンネル:ヘルメット)

どちらが速い?ジロ・エアーアタック対カスク・プロトーン

パーソナルトレーニングなど行うイギリスの団体「Fastest Highest Strongest」のジロ・エアーアタックとカスク・プロトーンの空力比較。

エアロ機材搭載のサーベロR5に乗ったスキンスーツを着用していない同一のサイクリストが、実走で2つの異なるヘルメットを着用した際の各ヘルメット着用時の空気抵抗係数、CdA値を算出。結果は以下の通りです。

Giro Air Attack CdA 0.2635
Kask Protone CdA 0.2862

これは時速30マイル(48km)で走行した場合はエアーアタック着用時は23ワットの出力を抑えられ、40㎞走った場合90秒の時間の短縮につながるようです。

時速50㎞で走り続けることは困難ですが、仮に100mを時速50㎞で走ったとしてエアーアタックは0.225秒速いことになり、プロトーンよりも約3m先行していることになり、スプリント時では大きなマージンを生む可能性が。

今回はエアーアタックに軍配が上がり、BikeRadarとは違う内容に驚くことと、同じセミエアロヘルメットでも選択によってはかなりの差が付く結果になりました。

元の記事:
Giro Air Attack vs Kask Protone – Cycling Road Helmet Aero Testing(ジロ・エアーアタック対カスク・プロトーン – ロードヘルメットの空力テスト)

ベルの自社製品比較

ベルが自社製品をアメリカ・アリゾナ州にある風洞実験設備にて比較した内容を公式ウェブサイトに掲載。風速40kmの風を30度に曲げた頭部に当て、空気抵抗係数を調べるというテストを行い、各ヘルメットの空力を計ります。

300mの距離を1150ワットでスプリントした場合、ベルのロードヘルメット・ゲージに対してスタープロのベンチ穴を解放した状態が0.9m先行、同じくスタープロのベンチ穴を締めた場合は1.5m先行するのと同様の結果が出たそうです。

(ベルのスタープロはベンチ穴の開閉ができる特徴的なヘルメットです)

元記事:
ベルの公式サイト

忘れてはいけない、エアロヘルメットの不の効果

高いエアロダイナミクスと引き換えに多くのエアロヘルメットが得るのは、ヘルメット内の熱です。

一般的にエアロヘルメットはベンチ穴が少ないため、通気性が低い場合が多く、ヘルメットの中で熱がこもってしまいがちです。

例えば、上記で紹介したBikeRadarの動画では、ベルのスタープロはプラスチックの帽子をかぶっているようだ、とその通気性に難点があることを指摘されています。ジロのエアーアタックも暑いというレビューが多くあります。

高温多湿の日本の夏で使用するなら、自分の使い方に合ったエアロヘルメットの選択が必要に。見た目と通気性はあまり関係が無いようですので、購入前には事前のリサーチをすすめます。

私の場合はBikeRadarの記事とオンラインレビューを参考に、通気性と空気抵抗の良さのバランスが取れている、ボントレガー・バリスタ、カスク・プロトーン、スペシャライズド・イヴェードを候補にショップに足を運んで、フィット感を確認してから選択をしました。

まとめ:エアロヘルメットの効果を調べた感想

wind tunnel fun

ロードヘルメットとTTヘルメットの比較は風洞実験・実走テスト共に多くありますが、それに比べるとエアロヘルメットの効果を計る実験の数はまだまだ少ないのが現状。

はっきりと参考になるデータが少ないのが残念ですが、ここまで調べた感じだと、時速40㎞以上の速度域でエアロヘルメットは通常のロードヘルメットよりも1㎞あたり最大2秒前後ほど速く、ジロの公式サイトのページでいくつかあるデータにように、着用すればおよそ5ワット前後の出力を抑えられるという印象を受けました。

ただこれは独走している状態での効果になりますので、集団での走行が基本のロードレースをしている方は、単独アタックをしている時や先頭を引いている際のパワー出力をわずかに抑えられたり、ゴール前スプリントで1mの違いを生む効果が期待できると言った感じでしょうか。

当然、実際にエアロヘルメットを着用した場合の効果は、ポジション、体系、頭の形、ヘルメットのサイズなど条件によって異なるので、どれだけの効果があるのかはその人次第。エアロヘルメット自体によっても空力特性は大きく異なります。

そして同じエアロヘルメットでも速度によっては空力特性が低かったり高かったりするようです。例えば、このヘルメットは時速35㎞以下ではロードヘルメットと空気抵抗は変わらないが、時速45㎞以上で効果を発揮するなど。

日本の蒸し暑い夏場に熱のこもりやすいエアロヘルメットを着用して、トレーニングやレース中に頭にこもった熱から体力を失っていくよりも、通気性の良い軽量ロードヘルメットを着用するという選択肢もホビーライダーとしては有りだと思いました。

暑いと言うレビューが多いジロのエアーアタックのようなベンチ穴が少ない、いかにもなエアロヘルメットよりも、ある程度通気性があり、セミエアロに分類されるヘルメットが良いんではと言う結論に私はいたりました。

(そのため私はカスクのプロトーンを今月購入しました。レビュー記事を今後書きたいと思います。)

結論:どれだけ速くなるのかはヘルメットととの相性次第。

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