常設のベロドロームで世界最短のトラックを誇る「フォレスト・シティ・ベロドローム」を走る

Forest City Velodrome

2016年10月末カナダのオンタリオ州を訪ねる機会があり、カナダのトラック競技者の間では一度は話題に上る、常設のベロドロームの中では世界で最も短い138メートルというトラックが特徴の、フォレスト・シティ・ベロドローム(以下、フォレストシティ)に行ってきました。

同じオンタリオ州には2015年パンアメリカン競技大会のために新設された通称ミルトン・ベロドローム(正式名称:Mattamy National Cycling Centre)もありますが、ミルトンはUCI標準の250mトラックのため同じようなトラックを走る機会は今後もあるだろうと思い、今回はフォレストシティを選びました。

昨年の冬は毎週のようにカナダのBC州バンクーバー近郊にあるバーナビー・ベロドローム(以下、バーナビー)に通っていた私ですが、200mトラックと47度のバンクが特徴のこちらも癖のあるベロドロームで、ベロドロームのコーチの話では「バーナビーで走れれば世界中のどこのトラックでも走れる」と言っていたため自信満々(※後述)でフォレストシティに行ってきました

自転車トラック競技のすすめ~カナダのベロドロームでトラック競技を始めて感じこと~
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もともと常設のベロドロームで世界最短のトラックを持つフォレストシティにはとても興味があったので、オンタリオ州を訪れる前からYoutube動画を観るなど、サイクリストとして行ってみたい場所の1つでした。

※ここで言う常設というのはレッドブル・ミニドロームのように仮設トラックを含まないという意味です。

フォレスト・シティ・ベロドロームの特徴

カナダ・オンタリオ州のロンドンという街の郊外にあるフォレストシティ。

138mの短いトラック、50度のバンク、そして傾斜17度の短いホームストレートが特徴で実際に見ると壁のようにそびえ立つコーナーに驚きを感じます。

紙やすりの存在

工具類が置いてあるテーブルの上に2枚ほどあった大きな紙やすり。走行前に自分のタイヤをそれで軽く削っておくように言われて戸惑いました。

バーナビーでは紙やすりを見たことはありませんが、フォレストシティではタイヤのグリップ力を上げるために、やすりでタイヤを削る習慣があるようです。

コート・ダジュールは使わない

トラック内側のトラックに登り降りする時の加速減速に使うコート・ダジュールという青いレーンは使わずに、加速減速は英語でエプロン(Apron)と言われるトラックの平らな部分で行わなくてはいけません。

そのためコーナー直後にトラックに登り降りし、しっかりと加速と減速を行うことで安全に走ることができます。

スプリンターズレーンの使い方

黒と赤い線の内側にあるスプリンターズレーンと言われるエリアは、トラックの内側にあるため最短のラインに当たります。

スキルの高いサイクリストであれば黒い線上ギリギリの最短のラインを走り続けることができますが、通常のトレーニングなどではスプリンターズレーンの真ん中を走ることが一般的だと思います。

フォレストシティではトラックの幅の短さも考慮してか、黒い線の真上でペースラインのトレーニングを行うという特徴があります。

黒い線の20cm内側には、高速で走ってはコーナーで落車することもあるコート・ダジュールがあるので、黒い線の真上を常に走り続けるというのはかなり難しく感じました。

ステイヤーズラインは高速走行に

通常のベロドロームではトラックの真ん中にある青い線のステイヤーズラインと呼ばれるラインがゆっくり走る場所に当たります。

フォレストシティではレース以外のセッションではこのステイヤーズラインで高速走行を行い、スプリンターズレーンが最速時速34kmまでと、通常のベロドロームと真逆の使い方をしているのが面白い点です。

短いトラック、なおかつコート・ダジュールを使わないという特徴ゆえのローカル・ルールですね。

走行風景

フォレストシティを走る感覚を得るのにぴったりなレース動画がありましたので紹介します。

いきなり落車!フォレストシティを走った感想

レンタルしたピストのセッティングを終えて最初に感じたのは、床がバーナビーよりも滑りやすく、スタンディングスティルをした時に後輪が空転してキュッキュッと音が鳴ったことです。この床で加速減速を行うのでかなり気を付けなくてはと思いました。

ベロドロームのインストラクターに説明を受けて走り始めて感じたのは、コーナーに進入する直前の部分の感触がバーナビーと違い、最初の3周は感覚が掴めずかなり不安定な形で走ることになりました。

トラックから降りるように言われて、コーナー後に後方確認をして床で減速しようと思いましたが、減速が足りずにコーナー部分に達してしまい、無理に床で曲がろうとして転倒!

乗り始めてわずか2分程度で落車するという面目無い失敗をしてしまいました。

緊張の中で走る前半

いきなりの落車で床に打ち付けられた左のお尻はかなり痛み、最初にあった自信はどこかに消えて少しパニック状態に。

さすがにもう一度転んでは今夜はもう走らせてもらえないだろうと思い、集中してトラックの乗り降りの練習をしました。

その後、コーナー直後にトラックから降りることを意識すれば、問題無く降りれるようになりました。

黒い線の真上を走るという点はかなり難しく感じたので無理せず黒い線の20~30cmほど上を走るようにしてコーナーに慣れるように走りました。

ローテーションに参加

単独で走っているとインストラクターから、少しずつローテーションに参加するように言われたので、最初はローテーション組の5メートルほど後ろを走って、その後ローテーションに加わりました。

まだまだ慣れていない中の走りなので、レースをする上では話にならない車間距離でしたが、それでも地元のトラックサイクリスト達と一緒に走れて楽しかったです。

トラック専用の施設ならではの迫力

バーナビーは200mのトラックの内側に4つのバレーボールコートがあり、半分はバレーボールのための施設と言って過言ではありませんが、フォレストシティは100%トラックのためだけに作られた施設ですので、走行中の風景はより迫力のあるものに感じました。

また天井からトラックの端に青い布が張られている箇所があり、トラックの上部を走る時はその天井布が視界に入り特別な気分になりました。

私にとって2つ目に走るベロドロームでしたが、後半はしっかりと走ることが出来て満足です。

フォレストシティで走りたくなったら

さすがにこのブログを読んでフォレストシティに行こうと!と思い立つ人はいないと思いますが、トロントなどカナダ東部の旅行がてらに走ってみたいという人はフォレストシティのウェブサイトをチェックしてください。

Forest City Velodrome(英語)

完全に英語でのセッションですので、英語が全くダメという方は難しいかもしれません。

トラック経験者の場合はウェブサイト上のお問い合わせ欄から相談をすれば平日の夜開催のRec Rideというトレーニング・セッションに参加することが可能な場合もあるようで、私も連絡をしてRec Rideに参加させて頂きました。

未経験者の方は週末に開催されている初心者向けのTrack1という講座に参加することができます。(経験者も参加OKです)

ピストがレンタルできるのでヘルメット、シューズ、ペダル、ウェアを持参して料金を払えばフォレストシティで走ることが出来ます。

自転車が大好きという人やトラック経験者であれば、一度は走る価値のあるベロドロームだと思います。

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