初心者に高級ロードバイクは必要無いと思う5つの理由

私が初めて購入したロードバイクはピナレロの2013年のミドルグレードモデル、FPクアトロ。

初めてのロードの購入にかなり頑張った感はありましたが、購入後はトライアスロンのオリンピックディスタンスからロングまでかなり活躍してくれたお気に入りの自転車です。

スプリントした時に感じる加速感や衝撃吸収性に優れたカーボンフレーム、そして何よりも軽さに魅了されやっぱりロードはフルカーボンじゃなきゃ、どうせ買うなら奮発して少し高めのロードがおすすめと一時期は思ってました。

この自転車に出会うまでは。

Defy-3-Black

2015年カナダに引っ越した際に現地で購入したGiantのエントリーモデル、Defy3。自転車盗難が多いと聞いたため、安めの自転車で何とか競技に使えるロードにしようとジオメトリー的にぎりぎり大丈夫なDefy3を選びました。

ピナレロのフルカーボンロードより重く、アルミフレームは路面からの衝撃をダイレクトにハンドルに伝えるため、購入当初は乗りにくい自転車だと思っていました。

しかし、慣れてくると第一印象は一変。トライアスロンやタイムトライアル、クリテリウムで使用したところピナレロ乗車時とそこまでパフォーマンスは変わっていないことに気づきました。

今ではミドルグレードからハイエンドまでのロードはロード初心者~中級者にはそこまで必要ないんではと思うまでになりました。

ちょっとロードレースにも興味があって、これから初めてのロードバイクを買ってみたいんだけど良いロードは高くてどうしようか迷ってる、予算が10万円程度、初めてのロードだけど恰好つけたいから高めのロードを買おう、と思っている方にぜひ一度考慮して頂きたい、高級ロードバイクがそれほど必要無いかも、と思う5つの理由をご紹介したいと思います。

1:体力、脚力が無ければ高級車の性能は活かせない

Downtown Cycling Race - Chico, California (4/14/2013)

空気抵抗に優れ、剛性が高く、軽量性を兼ねたハイエンドなロードバイク。

そんな上位グレードのロードを乗りこなすためには体力や脚力が必要です。

あなたには空気抵抗に優れたロードの真価が発揮される理想的なポジションで一定の時間一定の出力で走り続ける体力はありますか?剛性の高いフレームが必要になるようなスプリント力があなたにはありますか?数十、数百グラムの軽さがパフォーマンスに現れるほど安定したパフォーマンスを常に出していますか?

私の答えはすべてNoです。トライアスロン、クリテリウム、そしてトラック競技においてアマチュアでも中~下位レベルの私では、体力はあっても高級車の性能を存分に引き出すための脚力がありません。

高級車の性能を存分に引き出すことが出来ない脚力では宝の持ち腐れなので、まずは高い自転車よりもしっかりしたトレーニングをして、安定したパフォーマンスを出せるようにすることが必要だと感じました。

2:あなたの体、絞り切れていますか?
軽量ロード、パーツは今のあなたには必要ない?

Lose weight

上位グレードのロードの共通点と言えば何よりも軽さです。フレーム自体の軽さだけでなく、コンポーネントの軽さが加わったとにかく軽いロードバイクに仕上がっています。

重量という部分はロード初心者の方にもすぐに体感できる、ロードバイクを気持ち良く乗れる大きな要素。漕ぎ出した時の軽快さや上り坂での快適さは、自転車ってこんなに気持ちの良い乗り物だったんだと感じさせられます。

しかし、軽さから来る気持ちの良い乗り心地とスピードアップ、パフォーマンスの向上は必ずしも比例しません。体を絞り切ってベストの状態でレースに挑むプロにすれば数百グラムの単位でもパフォーマンスに影響を与えますが、アマチュアライダーでは10万円以上はざらにする軽量コンポを求めるよりも、1kg体重を減らすだけでも同じ効果が得られるかもしれません。

私の場合はピナレロからGiantにロードを変えても海外生活を始めた関係で落ちた2~3kgの体重のおかげで、登りの多い山岳コースでも平坦コースでも、変速や剛性などの性能の差はあってもスピードとパフォーマンスは大きくは変わりませんでした。

軽さが物を言うヒルクライムレースを将来的にメインに走りたいという方、または実業団レベルのレースに参加するようなアマチュアトップレベルの選手以外でもなければ、重量のために高いお金を払ってまで軽いフレームやパーツを求める必要は無いかなと思います。

3:かっこいいエアロ形状のロードバイクを買う前に、自分の巡航速度をチェック

Cervelo

高級ロードバイクの中で多い軽量型フレームの他に、今人気なのがエアロ形状のロードバイク。軽量ロードよりは少し重いけど、空気抵抗に優れたフォルムで同じパワー出力でも平地の巡航スピードを上げる効果があります。

トライアスロンから自転車競技に入った私。トライアスロンで人気のメーカーはいくつかありますが、個人的に良く目にするのがCerveloのTTです。CerveloはTTバイクだけでなくロードでもエアロ形状のSシリーズがあるなど、トライアスロンの影響で自分も買い替えの時はCerveloのS3に電動アルテグラにしようなどと思っていました。

しかし、初心者にとってエアロフレームの効果は軽さよりもすぐに実感しにくいところ。なぜならエアロフレームがその本領を発揮するのは高速域での巡航だからです。

横から見ると平べったい形状のフレームを前面から見ると非常にコンパクトに面積が少なく見え、巡航中の空気抵抗や空気の流動に最適の形で作られているエアロフレーム。しかし、巡航時の空気抵抗の70%以上が人間の体にかかるため、フレームの形状を変えたところでも数%程度の空気抵抗の改善効果しかなく、エアロフレーム単体での効果は巡航速度によりますが脚力のある人で平均時速が1~2km上がるというほど。

それも巡航速度30㎞の速度では大きな効果はないので、巡航速度35㎞以上、40km近くでも走れるという脚力かそのレベルまで到達できる自信のある人向けの、競技思考者向けの選択肢になってきます。

4:エントリーグレードのロードバイクでもレースに使用可能

critérium

これからロードレースやトライアスロンを始めてみたいけれど、ミドルグレード以上の自転車を買うのは大変と、感じている人は多いと思います。

ミドルグレード以上の自転車が無くても10万円程度のエントリーモデルで、ジオメトリーが自分の体に合って、レース向けのポジション設定が行えるのであれば問題なくレースでも使えると思います。

GiantのDefy3でカナダやアメリカでトライアスロンの大会に参加しましたが成績はそこそこ、20代のカテゴリーでは初の上位に入るなど自転車の性能よりも日々のトレーニングが重要だと感じました。

クリテリウムでも自分よりもはるかに高い自転車に乗った人たちと一緒にレースすることも可能に。自分が欲しいと思ったCerveloのS3に乗った人が千切れていくのを目にして、やはりある程度のレベルに達するまでは自転車よりも自分の脚力が大切だと思いました。

レースでも使えるか心配という方はレース向けのポジションが出せるのであれば10万円前後の自転車でも最初は問題無いでしょう。

5:破損や盗難の痛手も軽い

CYCLING - PARIS-ROUBAIX 2015

ロードバイクに乗っていて落車という経験はロード乗りなら誰にでもあるはず。特にクリテリウムのようなクラッシュの可能性が自転車競技の中でも高いレースに出ている人は、一度は目にしたり自分自身が転んだり巻き込まれてしまうという経験があると思います。

私は初めてのクリテリウムは途中棄権で終わりました。その理由は落車に巻き込まれたからです。自分の目の前を走っていた選手がその横の選手にコーナー後の加速の際に接触し落車、その後ろ1メートル以内を走っていた私も転倒した前の選手が手放した自転車に突っ込み落車してしまい、リタイアという形で終わりました。

私の自転車は前輪だけが前の選手の自転車に乗り上げただけなので軽く転倒しただけで怪我は無く、ロードバイクもダウンチューブに1、2本の小さな傷がついたのと、落車の衝撃でバーエンドキャップが一個取れていたというだけの無傷で済むことが出来ました。後日Giantショップでバーエンドキャップを200円くらいで買うだけの被害で済みました。

しかし、前で転倒した選手の自転車はトップチューブが割れてしまい使い物にならず、せっかく新しいロードを買ったばかりなのに後日買い替えるという大損害。着用していたスキンスーツもボロボロに破けていてかなりの怪我だったと思います。

ロードレースにはそのような落車の可能性がありますので、破損の場合はどうしても高級車だと金銭的な被害が大きくなってしまいます。

また自転車の盗難も大きな問題になっているようなので、当然安い自転車のほうが万が一の盗難も小さな損害で済むというメリットが。その理由が大きく私は海外でDefy3を購入しました。

まとめ

ここまで高いロードバイクが初心者にはそこまで必要では無いという理由を書いてきましたが、それでも高い自転車には気持ちの良い軽さや、スムーズな乗り心地を与える振動吸収性、そしてレースで必要になる剛性や空気抵抗の軽減など値段相応の価値があります。

予算的に問題が無ければ高い自転車を選んでも良いと思いますが、最近私が思うのはまずは平地巡航のタイムトライアルで1時間35㎞以上を維持できるような中級レベルの脚力を付けるまではエントリーモデルを使用するという形で良いのではということです。

乗り始めて盗まれてしまった、もしくはやっぱり公道は車が多く自転車に乗るのが嫌になったと感じる場合もあるので、初期投資は少なめにしつつ、反面熱中した時にある程度競技でも使える10万円少しくらいのエントリーモデルがベストの選択なんではと思います。

高いロードバイクに乗らなきゃ格好悪く感じてしまったり、場違い感を感じるということは誰にでもあると思いますが、安いロードバイクで高級車に乗る人たちをレースで追い抜いていくという痛快さもありますので、無理して高級車を買わずとも、十分ロードの魅力と楽しさを味わえると思います。

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