立ちゴケ防止にも役立つ!ロードバイクのテクニック、スタンディングスティルの紹介&コツ

Trackstand

ロードサイクリストのライディングスキルの上達に役立つ低速走行。時速3㎞以下のスピードで走ることによって、バランス感覚やハンドリング感覚を養うのにうってつけの練習の1つですが、中でも上達に役立つのがスタンディングスティルです。

昨年はカナダのベロドロームでトラック競技をしていた私。トラックを始めて驚いたのが、スタンディングスティル(ちなみに英語ではトラックスタンドと言います)をすることになる競技がいくつかあるため、練習の終わりに皆でスタンディングスティル・ゲームをたまに行ったことです。

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コーンで区切った正方形状のマスの中で、足が床に着いたり線を越えたらアウトになり、複数の参加者が足を着かないようにバランスを取りながら相手をブロックしたりして、最後の1人になるまで繰り広げるという内容のゲームです。

バイクコントロールの練習になりましたし、何よりも自転車の“テクニック面”を意識的に強化しようとしたことが無かったので、非常に良い体験となりました。

それ以来トラックレーサーでもロードバイクでも、トレーニングの終わりやレース前後にスタンディングスティルの練習をしていた結果、信号待ちの30秒くらいの間であればスタンディングして待っていられるようになりました。

まだまだ初心者レベルの私ですが、今まで中々出来なかったスタンディングスティルのコツがつかめて来たので、今回はその練習方法やコツ、そしてその魅力を紹介したいと思います。

ビンディングペダルのせいで立ちゴケをしてしまう人や、信号待ちでいちいちクリートを外したくない人にオススメの内容です。

スタンディングスティルが繰り広げられるトラックレース

まずは最初にスタンディングスティルの魅力と言える、スタンディングスティルが行われるトラック競技を紹介します。

トラック競技をしない人が見れば、「変なスポーツだな。」とか「何やってるの?」と思われがちな競技ですが、実際にレースをしている人にすれば、よーいドン!で行うTTやクリテリウムと一味違った楽しさがあるため、やってみると意外とハマってしまいます。

スプリント

UCI基準の250mトラックの場合、一対一でトラックを3周回り、先にフィニッシュしたほうが勝ちというスプリントという競技。私はカナダのベロドロームで開催していたスプリント・トーナメントにも参加したため、何度か体験した競技です。

どちらが最終ラップで先行するか、そしてその後ろについて脚を温存するかという主導権を取るために序盤は低速で走り、時にはスタンディングスティルを行って相手の後ろに回ったりと、スピードだけでなく戦術やテクニックが求められる競技です。

上記の動画では50秒の辺りからスタンディングスティルを始めています。

ロンゲスト・ラップ

一番長いラップ(周回)という意味の競技で、笛が鳴らされた後は一周を全力で走り一番最初にフィニッシュすれば勝ちという競技ですが、笛が鳴らされるまでにスタートラインに達しては行けず、足を床に着けたりトラックの外周にある壁に腕で寄りかかったりしたら失格になるというルールの競技です。

笛が鳴らされるまでゆっくりとスタートラインに向かい、ある程度近づいたらスタンディングスティルをするという展開で、トップ選手のバイク・スキルが分かる良い動画です。

このレースは一度やったことがありますが、ホームストレートでも斜度が15度もあるベロドロームだったため、トラックレーサーでのスタンディングスティルは難しくすぐに失格になってしまいました。

ファースト・アンド・ラスト・エリミネーション

この競技は私が通っていたベロドロームの名物種目で、トラック競技を観たことがある人にはお馴染みのエリミネーションのルールを少し変えたものです。

隔周ごとに一番遅い参加者が除外されていくというエリミネーション。いかに足を溜めて最後まで残るかという非常に戦術的なレースです。

ファースト・アンド・ラスト・エリミネーションは最初の週で一番最後にラインを通過した人が除外されたら、その翌々周回では一番先にラインを通過した人が除外されるという内容で、一対一の状況が出来るまでそれらが交互に繰り返され、最後の一周はスプリントで決着が着きます。

エリミネーションとロンゲスト・ラップを組み合わせた競技で私は残念ながら観戦しただけですが、非常に見応え・やり応えのある競技だと思います。

GCNの動画を参考に練習

私はベロドロームでスタンディングスティルを練習し始めて、コーチや周りの上手な人にアドバイスを求めましたが、同じ内容のことがGCNのこちらの動画(英語)でも紹介されています。

要約するとこういう内容です。

  • ゆるやかな登り坂で練習する
  • ハンドルを切って、ペダルは水平に保つ(3時と9時の位置に)
  • 視線は前輪ではなく前方に
  • 足をなるべく着かずに、バランスを崩しそうになったら前進して再度行う

いずれも大切な点なので、解説してみます。

ゆるやかな登り坂で練習する

スタンディングスティルで大切な、後ろに少し戻るという動作。

平坦や下りで行うよりも、ブレーキをリリースすれば自動的に後ろに進む、登り坂で行うとその感覚を掴みやすいです。

ただあまりに傾斜のキツイ坂だと難しいので、ゆるやかな登りを見付けて練習してみると良いと思います。

ハンドルを切って、ペダルは水平に保つ(3時と9時の位置に)

ハンドルはまっすぐではなく、右か左にある程度切ってペダルを水平に保ってみるとバランスが取りやすいです。

ハンドルを右に切った時は右足を前に、逆にハンドルを左に切った時は左足を前に出しましょう。反対だと前足が前輪にぶつかって転びそうになります。

視線は前輪ではなく前方に

最初の頃はどうしても視線をタイヤやハンドル付近に落としてしまいがちですが、下を向くと単純にバランスが悪くなるので、視線を前方に置くとバランスが取りやすいです。

足をなるべく着かずに、バランスを崩しそうになったら前進して再度行う

バランスを失って足を地面に着く、という動作を何度も繰り返すとスタンディングスティルをする練習時間が少なくなってしまいますので、バランスを失ってきたら足を着かずに少し前進して、再度試みてみましょう。

短時間でもしっかり練習できます。

スニーカーや運動靴で試してみる

これは動画で触れられていない内容ですが、慣れない内はビンディングペダルではなく、スニーカーや運動靴などの足をペダルから降ろしやすい靴で試してみると良いです。

ビンディングペダルを使ってやると、バランスを崩した時に立ちゴケをしてしまう可能性があるので、最初はスニーカーなどを履いて練習することがオススメです。

スタンディングスティルの一番のコツ

trackstand
(カナダのベロドロームでのスタンディングスティルの一コマ)

スタンディングスティルの一番のコツは左右でバランスを取ろうとすることではなく、前後に細かく動くことでバランスを取るということです。

ロンゲスト・ラップで紹介した動画でスタンディングしている選手たちのように、細かく前後に動くことでスタンディングの時間を長くすることができます。

私は始めたころは後ろに進むという動作が苦手だったため、左右でバランスを取ろうとしたため中々上手く行きませんでしたが、前後に動くということを意識してから少しずつ出来るようになりました。

最初は上り坂で後ろに戻るという感覚を養ったり、ブレーキを上手く使ってわずかに前進して止まり、ブレーキをリリースして少し後ろに戻るという動作を繰り返す練習をしましょう。

また、ロードバイクでスタンディングスティルを行う場合は、GCNの動画のようにブラケットを握って腰をサドルから上げた状態で試みるとやりやすいです。

立ちゴケ防止にも役立つ!

停止する時にクリートが上手く外れずに転んでしまう立ちゴケ。ビンディングペダルを使用している人であれば経験したことがある、という人は結構いるんではないでしょうか。

クリートの脱着に慣れてくれば立ちゴケをすることは減ってくると思いますが、ロードバイクのハンドリングスキルが上がれば立ちゴケの防止に大いに役立つでしょう。

前後動作を繰り返すスタンディングスティルを練習することによって、低速走行時のバイクコントロールが上手くなりますので、慌ててクリートを外して足を地面に着くという動作をしなくても、完全に自転車が停止してから落ち着いてクリートを外して足を地面に着けるということが可能になります。

信号待ちでいつもバランスを崩しそうになる、という人にオススメの練習です。

まとめ

Trackstand competition.

出来ると自転車が一層楽しくなる、スタンディングスティルを今回は紹介しました。

ロードバイクでスタンディングスティルをするのは少し難しいですが、バイクのハンドリングスキルの上達につながるので、ロードバイク好きの人にはぜひ試してもらいたい練習の1つです。

ちなみに、信号待ちでスタンディングスティルをすると、クリートの脱着をしなくて良い分スムーズに発進できますが、結構足が疲れる行為なので普通に足を着けたほうが休めます。

ただ短い停止であれば少しスタンディングして発進する、ということが出来れば便利なので、街乗りにも役立つテクニックだと思います。

私はまだまだですが、スタンディング時間を伸ばしたり片手で出来るようにこれからも練習していきたいと思います。

またベロドロームでのサイクリングに興味を持った方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

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